「改悪転職」する人によくある4つの特徴
就職情報会社ディスコの調査によると、
2022年春卒業予定の大学生・大学院生の就職内定率が
6月1日時点で71.8%(前年同月比:7.8ポイント増)となっている。
これは現行の就活ルール(3月に採用広報、6月に選考解禁)になった
2017年卒以来で最も高い数字だ。
- 転職活動におけるコロナ禍のネガティブな影響
- 転職活動におけるコロナ禍のポジティブな影響
- 1 嫌なことを避けるため「だけ」の転職(人、仕事など)
- 2 「やりたいこと」「自由」が欲しいから転職
- 3 キャリアが「完全リセット」になる転職
- 4 転職の目的が「はっきりしない」転職(何となく年齢的に、周りがしてるから)
転職活動におけるコロナ禍のネガティブな影響
・応募できる求人数(種類)が減っているように感じる
・選考難易度が上がっているように感じる
転職活動におけるコロナ禍のポジティブな影響
・選考は受けやすくなっている(WEB面接、WEB説明会など)
・転職活動に対する意欲が上がった(キャリアに対する危機感が増加)
このように転職に対するモチベーションが上がったり、
転職活動がやりやすくなったといったプラスの影響もあり、
転職を希望する方からのキャリア相談が増えた。
しかし、「転職」というものは一つ取り扱いを間違えると
キャリアの「改善」どころか、
逆に「改悪」となってしまうこともあるので、注意が必要だ。
ここでは、「改悪」につながってしまう転職の特徴を紹介し、
そのような状況に陥らないための対処法を示したいと思う。
1 嫌なことを避けるため「だけ」の転職(人、仕事など)
コロナ禍の前から多い転職のパターン。
「嫌なことを避ける」ことが唯一(もしくは大半の)
理由となっている転職はうまくいかない。
嫌なことの多くは「人間関係」「仕事内容」のケースが多く、
特に「人間関係」の場合、苦手な人、
集団から避けるように転職しても、
また同じような人間関係の悩みに陥ってしまうことがある。
イメージしてほしいのだが、苦手な上司がいたとして、
その人を避けるように転職したとしよう。
選考段階でいっしょに働く直属の上司がどんな人なのか、
知ることは難しいし、選考で会う機会があったとしても、
それはあくまで社外の人に対する態度であって、
実際いっしょに働くときの態度はわからない。
仮に良い上司に巡り会えたとしても、会社には人事異動があり、
上司もしくは自分が異動すれば上司も変わってしまう。
「仕事内容」の場合は、職種やポジションを変えることによって
苦手を回避できる可能性は十分ある。
ただ、どの仕事においても必要とされる
「汎用的な仕事(書類作成、部署間の調整など)」に
苦手意識を持っていると、避けることは難しい。
つまり、嫌なことを避けるために転職しても、
結局は次の環境でも同じ壁に当たってしまい、
問題の解決に全くつながっていない転職となってしまう。
「自由」な環境を手に入れるのは難しい。
2 「やりたいこと」「自由」が欲しいから転職
次のケースは、「やりたいこと」「自由」を追い求めてしまう転職だ。
「やりたいこと」「自由」という言葉は耳当たりが良く、
これらを手に入れるために転職すると言うと
大義名分があるように感じやすい。
しかし、今の仕事がつまらないからと言って、
「やりたいこと」を無理にひねり出したり、
実際の仕事のイメージを美化しすぎた状態で
仕事を選んでしまうと失敗する。 新卒の就活に多いのだが、
「やりたいこと」だけで選んでしまった仕事は、
その仕事をすることでのメリット/デメリットが
考慮されていないことが多く、結果として就業後にミスマッチとなりやすい。
「自由」を手に入れたいからと言って「フリーランス」という
働き方を選択する人も最近は増えているが、
フリーランスとして報酬の高い仕事、レベルの高い仕事を請けるためには、
それなりの実績や営業力が必要となる。
実績や能力が不十分な状態で「自由な立場であるフリーランス」と
なったとしても、思ったような報酬、内容の仕事は請けられないのが実情だ。
3 キャリアが「完全リセット」になる転職
前職で培った経験やスキルをまったく考慮せずに転職してしまうと、
キャリア価値を引き継ぐことができずに、
せっかく経験を積んだキャリアが完全にリセットされてしまうことになる。
3年間ITエンジニアをやってきた人が、
もっと人とコミュニケーションを必要とする仕事をやってみたいと思い、
営業職への転職を考えたとする。
その際、ITエンジニアとして培ってきたIT分野の専門知識、
ITエンジニアとしての業務経験を活かそうと思えば、
IT分野における営業職に転職するはずだ。
しかし、自分が好きな分野は食品だからと言って、
食品分野の営業職に転職してしまうと、
今までの3年間の経験を活かすことはできず、
キャリア価値が引き継がれずにリセットされてしまう。
そういったデメリットを理解したうえで転職していればいいが、
転職時にキャリア価値が大きく目減りしていることを知らずに
転職している人を多く目にする。
「何となく転職」では、それに見合わないリスクを負う。
4 転職の目的が「はっきりしない」転職(何となく年齢的に、周りがしてるから)
最後に挙げるケースは、「転職の目的がはっきりしない」場合の転職です。
言い換えると「何となく転職」とも言える。
「年齢的に転職したほうがいいと思って」
「周りが転職しているから転職しようと思った」
といった理由で転職をしてしまうと、目的が不明確なので、
転職によって享受できるメリットが限定的で、
それに見合わないリスクを負ってしまう。
転職は働く環境、雇用条件、仕事内容がガラッと変わる可能性があり、
かなりリスキーな代物だと言える。
「何となく」やるくらいなら、今の職場で成果を出して評価を上げたり、
仕事に対する取り組み方を変えて満足度を
向上させたりするほうがはるかにいい。
ここまでに紹介してきたような「改悪転職」となるケースを回避し、
「改善転職」をするためにはどうしたらよいか。いくつかの対処法をご紹介したい。